コントラストセラピーの効用

冷水とサウナの組み合わせ

冷水とサウナ、つまり身体を低温と高温にさらす方法は、コントラストセラピーとして知られています。長年にわたってプロアスリートらに使用されてきましたが、最近は、一般レベルでも、回復力を高めたいと考えている人たちの間で非常に人気が高まっています。

古くて新しい方法

天然温泉、スチームルーム、温浴に浸ることは、古代ギリシャやローマなど、多くの文化で人気がありました。フィンランドでは、何百年もの間、サウナと冷水の組み合わせも使用されてきました。簡単に言えば、体を低温と高温にさらして、その 2 つの相乗効果を利用する方法です。冷水浴と温水浴は、どちらの方法にも利点がありますが、組み合わせると、さらに効果的であることが、古くから知られてきたのです。

コントラストセラピーのメリット

主なポイントは、この方法が炎症を軽減し、怪我や慢性的な痛みが発生している部位近くの循環を改善するということです。

ただしいろいろな方法があり、何が自分にとって効果的かを見つけるには、試行錯誤が必要になります。一般的な方法から紹介しましょう。まず、冷却療法から始めて水の中に1〜3分間座ります。時間の経過とともに耐性ができるようになるので、最初の数回は 1 分も我慢できなかったとしても、問題ありません。

その後、サウナに1〜3分間入ります。このサイクルを 3～6回繰り返します。筋トレのエクササイズを週ごとにレベルアップさせるのと同じように、少しずつ負荷を上げていくという考え方が重要です。週ごとに持続時間やラウンド数を増やすとよいでしょう。

冷水セッション

冷水浴の部分では、おおむね15℃未満、ただし 3.5℃を下回らない水温を設定してください。この範囲外の温度の場合は、効果が減少してしまうためです。

冷水浴は、血管の収縮を引き起こします。これにより、筋疲労を起こしている部位への血液の流れが減少し、腫れや炎症が軽減されます。また、体の免疫システムを刺激し、白血球の生産を増加させます。

それに加えて、気分を調節するノルアドレナリンが大量に放出されます。これは、不安やうつ症状と闘い、ドーパミンを増加させることが示されています。

サウナのメリット

サウナに入ると、深部体温が上昇して血流が増加し、深い汗をかき、毒素を排出し、筋肉に酸素と栄養素を送ります。これにより、ドーパミン、オキシトシン、セロトニン、エンドルフィンも急増します。脳には心地よい神経伝達物質が大量に分泌され、筋肉は痛みの軽減、可動域の拡大、ワークアウトからの回復促進に寄与します。

また、毛穴に詰まった毒素をすべて洗い流すことで肌がきれいになり、血管が広がって心拍数が増加することで、心臓の健康状態が改善される利点も得られます。

組み合わせの効果

寒冷刺激と温熱刺激を組み合わせると、血管収縮と血管拡張という素晴らしい効果が得られます。体内にポンプ作用を引き起こし、システム全体にリンパ液を効率的に移動させるのに役立ちます。

リンパ系は体の下水道のようなものです。リンパ液が滞ると炎症が悪化して病気が発生することがあります。これは、有酸素運動に似たポンプ感覚で筋肉にも影響を与えます。代謝老廃物を筋肉から血流へ移動させ、体が代謝老廃物を除去しながら栄養と酸素を細胞に送り込むことで、回復プロセスが促進されます。

ご自宅のお風呂でも可能

コントラストセラピーは、優れた回復方法であることが証明されています。かつてはトップアスリートのみが行う方法とみなされていましたが、フィットネスレベルに関係なく、誰もが恩恵を受けることができるものであることは間違いありません。

とはいえ、そう頻繁にサウナに行くお金も時間もない、という方も多いと思います。ご自宅のお風呂で、熱いシャワーと冷たいシャワーを交互に浴びたり、浴槽に水を入れてその後温かいシャワーを浴びたりすることはできます。ぜひお試しください。

by Travis Halena • October 20, 2023